グラール ウインド オーケストラ

行進曲「木陰の散歩道」
 (E.F.ゴールドマン)
 ゴールドマンはニューヨークのナショナル音楽院でドヴォルザークに師事し、メトロポリタン歌劇場のコルネット奏者を務めた後、吹奏楽界の名門ゴールドマンバンドを設立した。このバンドを率いてセントラルパークで毎年夏にフリーコンサートを開いていたが、その公園のモールという散歩道を歩く人々の姿を描いたのがこの曲である。有名なトリオの部分で最初に歌声、2回目に口笛でメロディーが奏でられ、楽しげな情景が表されている。


歌劇「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ”
 (G.プッチーニ)
 プッチーニはヴェルディ以降のイタリアオペラ界で第一人者として活躍した人物である。この歌劇は北京・紫禁城を舞台にしたプッチーニ最後のオペラで、作曲中に病に倒れたため未完のまま残された。「誰も寝てはならぬ」はその中の最も有名なテノールのアリアで、トゥーランドット姫の出した3つの謎を解いたにも関わらず約束の結婚の履行を拒まれた王子カラフが、逆に自分の名前を言い当てたら命を与えると言い、姫の様子から勝利を確信した後に高らかに歌う曲である。


序曲「春の猟犬」

 (A.リード)
 日本の吹奏楽界で最も多くの作品が演奏されているのがこのアルフレッド・リード氏の作品であろう。「春の猟犬」はカナダ・オンタリオ州のジョン・フォスター高校バンドの委嘱で作曲された。曲はアルガーノ・チャールス・スウィンバーンというイギリスの詩人が28歳の時に書いた詩の一節に基づいて作られた。この詩の持つ“若い快活さ”“優しい愛の甘さ”という二つの要素を表現しようとしたもので、6/8拍子を主体とした軽快なリズムと4/4拍子の美しいメロディーが対比的に書かれている。


行進曲「星条旗よ永遠なれ」

 (J.P.スーザ)
 アメリカ国旗星条旗をタイトルに織り込んだ“マーチ王”スーザの名曲である。アメリカの国民的マーチとして国からのお墨付きを貰うべく、何度も国会に請願の出されたこの曲はスーザが作曲した136曲のマーチの中のみならず、世界で最も著名なマーチのひとつである。念願叶って今ではアメリカ第2の国歌のように親しまれており、公式の行事などでよく演奏されている。

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